いつもとちょっと違うなという直感を活用すれば、さまざまな変化を日常生活の中で発見することができるでしょう。お腹が痛いのに肩も同時に痛みを感じて、いつもとの違いを感じた時に救急車を呼べて一命を取り留めることができました。

日頃の調子と少し負荷を掛けたときの調子とを把握するのが目標です。子供と鬼ごっこをしていて、足がまったく上がらず、棍棒のように転倒してしまっては、骨折の心配もあるでしょう。必要な時に手足の力が抜けてしまわないように気を付けたいと思います。

老いの影響は気づかないうちに身体を蝕みます。初対面の学生から親しみを込めて「おじいちゃん」と呼ばれたとき、初めて自分の老化を疑いました。それ以来、抗老のためにあれこれ工夫をし始めました。

早めに身体の衰えに気づいていたらという人が多いのは事実です。足腰が立たなくなってしまって気づいても、運動そのものが困難になってしまっているでしょう。ばね指になってしまった右手人差し指が再び動くようになるために2年を要しました。

去年はなんともなかったのに、最近は随分と疲れやすくなったと感じたなら、対策を講じるのをお薦めします。取り越し苦労なら、対策は毒になりません。そうでなかったら、後々深刻な問題を抱え込んでしまうかも知れません。

足が上がらなくなるのは内臓が機能不全になっているからかもと今でも思っています。最近テレビでも、取り上げているコアマッスルの一つの腰腸筋は足と背骨とを結んでいますが、内臓に直接触っています。

病気としてではなく、メンテナンス不十分の結果として老化を捉えましょう。長年放置して錆びた車体に穴が開いて、エンジンを冒してしまったのに似ているかも知れません。放置せずに洗車などのメンテナンスを必要としていたのです。

動かしている部分に老化は来ないと昔は言い習わされていましたよね。これはある意味、正解かも知れません。使っていれば、循環というメンテナンスを施されているのですから。

あるいは日頃のトレーニングが肝心だとされていましたが、トレーニングというとなんだか重圧を感じます。筋肉痛に悩まされたのを思い出して嫌な気持ちになってしまいます。筋肉痛が引いても、なんだか怠さが取れない日が続きます。

定期的な健康診断が病気の早期発見のために大切なのは言うまでもありません。早期発見であればほとんどのガンが寛解する時代になっているからですね。定期検診は自治体の補助があるようで、推奨されています。

同じように定期的な身体能力の確認が健康維持のために大切だといえます。むしろ病気よりも発見するのが難しく、また繊細さを必要とする作業だと思います。それでも定期的な観測が重要である理由は衰えた身体を元に戻すのは至難の業だからです。

それは第一に老化の性質にあるように思えます。老化は回復力の減退です。一日寝ても完全に回復できず、2日3日とダメージが残ってしまうのは、成長ホルモンが足りなくなっているからです。成長ホルモンは老化によって分泌が少なくなり、回復が困難になります。

つまり毎日の過剰なトレーニングが肉体を蝕みます。厚生労働省のガイドラインも中高年以降の運動が毎日のものではないようにと勧めています。むしろ運動強度を勘案して1週間単位で計画する方が効果が高いです。

東洋医学の見地では、歳は足腰から取るとします。理由は腎経にあります。腎経は足裏の土踏まずにある湧泉という穴から始まって、身体を巡りますが、腎経は身体の生命活動を支える根幹を担っています。つまりまっすぐに歩けなくなり、腎経を刺激して使用できなくなります。すると体はどんどんと機能低下し始めます。