低山のハイキングコースでも遭難する可能性があります。自然の力は人間の力を遙かに凌ぎます。自然に対する畏怖の感覚をなくしてしまってはいけません。小さな怪我でも雑菌が入れば、化膿して痛みは酷いのです。

小さなミスが連鎖して大きな問題を生み出すのが知っておくべき大原則でしょう。誰も知っていてミスをする人はいません。それでもミスからどれだけ重大な結果が生じるかを予測するのは不可能なのです。

特に山での事故は大迷惑にもなります。自宅のように住み慣れた環境と山は違います。山にはゆっくりと身体を横たえるベッドもありませんし、十分な水を使うこともできない可能性が高いでしょう。それらが必要になってしまったら、周囲の支援が必要になります。

ですから臆病なくらいの準備で丁度良いと言われます。山には待ち中とは違うマナーが一杯です。環境が違うからであり、山のマナーに従うのが、自然に対する敬意を払うことです。そうすることが結局は自分の安全を確保する結果になります。

山道には浮き石が多くあります。土の中に充分に埋まっていなくて、不安定な浮き石を踏んで足首捻挫する事故は少なくありませんが、捻挫したと思ったら骨折を疑うべきなのです。軽視してそのままにしておくと数日後に足首が動かなくなったり、重症化する危険もあります。

このように石を踏むことの怖さを知っていますか?登山を始めた頃に先輩たちから随分と繰り返し注意を受けました。石で叩けば頭だって割れてしまいます。道ばたには石という凶器が散乱しているのが山というものなのです。

ちょっとつまずいた、すると石が下に落ちていった、でもう完全にアウトです。転がり出した石は加速を続けて、下にいる人たちに降りかかるでしょう。そこに人がいなければ、それは単に幸運に過ぎません。最初からそのような事態を避けるようにしたいものです。

深刻な場合は遭難です。家族や友人が捜索願を出すでしょうが、捜索は実費負担になります。これは自治体毎に取り決めがあるので、費用の想定ができません。もし遭難なんてことにでもなったら大変な事になるのだという認識をどこかにもっておきたいです。

たしかに山で困った事態は助け合いの精神が基本ですが、その精神に任せっきりになってしまうのは無責任に過ぎるでしょう。自分でできることは自分でする精神をボーイスカウトでは教えているそうです。自分の始末もできなければ、子供たちに笑われることになりかねませんね。

少なくと周囲の人たちに迷惑をかけていることを認識したいです。自分の行動が周囲に少なからぬ影響を及ぼしかねないのです。安易な自然破壊やゴミの投棄なども厳に慎むべきです。良いマナーを示すのが、大人に期待されていることだからです。

ところで万が一に備えるための山岳保険というのをネット検索すれば見つけることができます。300円/1日から入院などの場合に保証してくれるようです。無事に帰宅できるためのお守りとして、加入しておくのもひとつです。

アタックするコースに応じて掛け捨て保険を契約するように考えましょう。計画の段階で充分に検討します。行き慣れたコースだからといって安心することはできません。旅程から考えて必要十分な保険を選ぶことが肝要です。

気を付けたいのは、使い慣れていない、他人の道具を借りるのはリスクが大きいという点です。まさかナイフなどは不要だろうと持参せず、その場で拝借して間に合わせようというのは、怪我の元になります。危険な道具であればこそ、使い慣れたものが必要なのです。自分の限界に挑戦してはいけませんよね。山で生活しているなら良いですが、山は非日常だと弁えましょう。