ハイキングを遠足気分で準備して、お弁当を用意してもらい、バッグに詰めて出かけました。早春の冷たい風を感じながら山の中に入り込んでいったのち、昼時を迎え弁当を開きます。空気は美味しいけど正直言って、冷たいお弁当を山の中で一人で食べても、美味しくない。

個人での山行きは学校の遠足や団体行動訓練じゃないから、冷たいお弁当は避けたいというお話です。権威者に指示されて食事まで規制され、みんなで歩調を合わせなければならない全体主義は大人にふさわしくないでしょう。

本当なのかウソなのか明確ではない話ですが、日本が戦争に負けたのは兵糧が美味しくなかったからだと力説していた人がいました。日本軍は戦地で飯ごうを頼りに炊飯しようとしたそうですが、とても激戦中にそんな余裕もなく、生米をかじるしかなかったそうです。

生米は食べるとお腹を下します。ベータ状態の炭水化物は草食動物ではない人間には消化できないものだそうです。そして加熱調理していたとしても、時間が経過するとベータ状態に戻ってしまいます。

対するアメリカ軍はレーションを工夫して温かいものを提供しています。現在はアメリカ軍が供給している食事を販売していますので、その内容を確認できて興味深いものを見つけるかもしれません。

中国の人は必ず熱いぐらいのご飯が必要だそうです。冷たいご飯は使用人とか犯罪者とかの社会的状況が好ましくない人が食べるものだと理解しているようで、向こうの新幹線で買った弁当は持てないほど熱くなっていたのも、この辺りに理由があるみたいです。

西洋の人は猫舌が多いので熱いものは苦手とも聞きますが、それでも温かい食事はごちそうだとされています。そこには単に文化的な理由だけではない、もっと生理的な理由がありそうなので、少し押さえておいた方が良さそうです。

消化吸収にも体力が必要です。飢餓状態になっている人たちに高栄養価のものを与えると消化できずに、かえって消耗してしまうそうです。そういえば、病人でも同じですよね。病院食ってだいたい、栄養価が低く抑えられているみたいです。

体力を消耗しているときに冷たい食事だと消化吸収に負担がかかってしまうという事実もあります。栄養価だけではなく、食事の温度も人間の食事の大きな要素だとわかります。

温かい食事が満足感の要因として大きい。同じ量、内容の食事でも温度が違うと満足度が大きく異なります。だったら喫茶店とか食堂で食事すればいいと思われますが、当てにしていた店舗が休業していたり、店じまいしていたりという場合もあり、当てにはできないのです。

小型のヒータと固形燃料なら携行するのも楽です。食事は自分で段取りするのが一番安心できます。ハイキングでも食事の重要性が高いのであれば、小型のヒータと固形燃料程度なら準備するべきでしょう。

シェラカップとガスバーナの組み合わせがお薦めです。後は工夫次第です。自宅での食事のように思うようにできない不自由さを味わいながら、手間を楽しむ気持ちが旅気分を引き立ててくれます。

ハイキングの時に暖かいコーヒをドリップした時、その様子を見ながら通り過ぎる人はみな、少しうらやましそうな顔をしていました。簡単な道具でドリップしたのですが、それでも大きな満足感がありました。

もちろん分相応という考え方がありますから、本格的なガソリンバーナは扱いに慣れていなければ危険ですね。大学の山岳部でもバーナで死傷事故を起こしたことがあるほどですから。

直接地面に焚き火をすると、その場所は長く汚染されてしまいます。地面に不必要な負担を掛けるべきではありません。焚き火用の器具を使うようにしましょう。