中年を迎えるとスタミナの衰えが激しくなります。これは人から聞いた話などではありません。実感です。スタミナの老化は徐々に進むのではなく、ある日突然気づくのです。若い頃のスタミナがないと。

しかし、細胞内のミトコンドリアが増えれば、スタミナが付くと現代医学はアドヴァイスをしています。ミトコンドリアはエネルギーを生み出す工場として働きます。足りなければ補えばよいだけのことです。

方法論的に難しくはありません。少し息が切れる程度に足腰に負担をかける運動をすればミトコンドリアが増えるそうです。だからこそ本屋に並ぶノウハウ本ではスクワットを勧めるものが多いのでしょうね。

でも自宅で一人、スクワットをするのは、あまりにも刺激が乏しくて続きません。毎日部屋にこもってスクワットをしていると、段々と気持ちが弱っていくようです。ついやり過ぎて、一日が億劫に感じてしまいます。

登山はひと味違います。自然の中で、土を踏みしめる感覚を味わいながら、トレーニングになります。緩やかな坂道が想像を絶するような負担になったとしても、翌日には痛みがなくなっていました。武蔵御嶽山に登った時の記憶です。

疲れを残さないためのコツの一つは、できる限りゆっくりと登ることです。「禹歩」のような一歩上がっては両足を揃えて一息つく方法は、ゆっくり登るのに役立ちます。このようなゆっくりとした運動で細胞に酸素を充分に供給できるからです。

そのようなゆっくり運動も辛いようなら、「環跳穴」(お尻のほっぺた)を両手で引き上げるように支えて頑張れます。この方法は東洋医学的な方法ですが、試してみればおわかり頂ける通りの即効性が自慢です。

寝たつもりでも、翌朝まで疲れが残っているのは運動のし過ぎだとたかをくくっていました。ある日、寝起きに転倒してしまい、そのまま立ち上がれないほどの疲労が蓄積されていたのに気づく始末。

酒に弱くなったのか、だるさが取れない日々もやはり老化現象のひとつに違いありません。本当なら寝ている間に肝臓が血中のアルコールを分解してくれるはずですが、肝心の肝臓が機能低下してしまっている。もう若さは残っていないのでしょうか。

体力をつけるためにお薦めの階段ですが、駅の階段を登り切る前に息が上がってしまうようでは、そもそも通勤に差し障ってしまいます。このように加齢による体調変化は自分で気づくのが大切かも知れません。

加齢現象を指摘されるようになったら辛さはよりいっそう耐えがたいものになるでしょう。変な脇汗をかくなと思っていたら、家族から加齢臭を指摘されて、洗濯物が別扱いなんて耐えられません。

そんなこんなで、特定の対象に限らず、イライラする時が頻繁にあるのは精神衛生上もよろしくない。イライラは内臓の老化に原因があるかもと、東洋医者が指摘してくれました。

ズボンの足回りが緩くなったのはスタミナが衰えた証拠です。最近昔のジーンズが楽に穿けるようになって、喜んでいました。十数年前に購入したリーバイスの501。これが裾を切らずにそのまま穿けていたのが自慢でしたが、最近までの数年間は足が辛かったはずです。

昔のパンツの足回りにゆとりが出てきたのなら、それは喜んでいる場合ではないのです。お尻の筋肉と太腿の筋肉はスタミナのバロメータなのです。この部分が痩せてきたのは、贅肉が落ちたのではなく、筋肉が落ちたことを意味します。

注意点を一つ追加しておきます。下り坂を侮ってはいけません。下り坂は楽だと思っている方が多いようですが、むしろ下り坂で足が受ける負荷は上りの数倍になります。上り坂で膝は笑いませんが、下り坂で膝が笑うようになるのはこのため。