山道を歩くとき、足下がおろそかになるのは危険ですが、日差しを避けながら歩いていると、木々の木漏れ陽がまぶしくて目を上げてしまう瞬間があります。そんなときには立ち止まって、遠慮せず周囲に注意を向けてみます。

そこにはきっと素敵なな声で呼び交う鳥たちがいるに違いありません。いろいろな雑音が溢れているでしょう。あるいは子供たちの嬌声があり、自動車のエンジン音が谷の向こう側から響いているかもです。それらの雑音から鳥の声だけに集中します。

環境音の一部として鳥の声を楽しむのが素敵だと思います。雑音を意識から排除していくと、鳥たちの羽ばたき音まで聞こえてくるようになります。心がしんとして耳が自然の中に馴染みます。

一定の時間録音して、帰宅後に楽しむのはいかがでしょう?最近は録音用のICレコーダも安く、小さくなり携帯に便利になりました。メモリカードを一枚増設して1時間くらい同じ場所で音を拾っているのはどんな感じでしょう。

本格的なバードウォッチングはかなりのハードワークです。視力が弱ってしまったのでさらに敷居が高く感じられます。分かりやすい鳥なら、見分けるのも可能ですが、似ていて見分けにくい鳥になるとまるっきりダメになってしまいました。

取り寄せならぬ鳥寄せというバードコールは職人芸です。取り寄せならネットで簡単ですが、バードコールは専用の道具を使ったり、道具を自作したりして、鳥の鳴き声の真似をして呼び寄せます。鳥の鳴き声に関する知識が必須です。

季節によっては渡り鳥も見つかるでしょう。季節に関する知識が欠かせません。渡り鳥がどこまで下りてきているかという情報を詳細に追跡しておきます。そして目撃情報などの共有が求められます。

麓と山中とに見られる鳥に種類の違いがあります。地方差だけではなく、高度差も鳥の住み分けに大きく関係していますので、バードウォッチングは複雑な知識が前提になっているのです。事典はあっても、見分けるのが難しい。

裸眼では難しいこともあり、双眼鏡が便利ですが、双眼鏡は倍率だけ良くても役に立たちません。安ければ何でもよいと思って、持って行ったけど、まったく焦点が合わず、ズームが何の役にも立ちませんでした。

高級な値段の根拠は焦点と歪み補正機能にあります。レンズの加工に技術と手間が必要であり、ここで価格の差が出てきます。それなら少しでも良いものをと言っている間に、双眼鏡は5万円を越えてくるかも知れませんよ。

単独行を前提にすると服装にも若干の問題を感じます。鳥に見つからない服装は、事故したときに面倒です。アースカラーという自然に馴染む色合いの服は滑落して動けなくなった場合、捜索から見つけにくいものになってしまいます。

結論を言えば、山歩きをしながらバードウォッチングは上級者向けです。カタログを眺めていると、装備も段々と贅沢になっていきます。そしていざ出かけようと鞄に詰めると、すごく重くなってしまって、玄関のドアの前にしゃがみ込んでしまいかねません。

日本野鳥の会のホームページを検索してみましょう。探鳥会や講習会に参加してみるのもひとつです。どうせバードウォッチングのようなおしゃれな趣味に手を出すのなら、しっかりとした基礎を身につけておけばお得な気もします。

趣味のステップとして次の段階にあるものとしてバードウォッチングを考えてみてはいかがでしょうか。将来、誰か山行きの連れができたときに話題を提供するのに一役買ってくれるのは間違いないでしょう。

いずれにせよ低山ハイキングに充分馴染んでから、手を出すのが大人の態度です。あれもこれもと同時に手を出す子供じみた真似は卒業しましょう。