【50代から始める登山】こだわり満載の登山で疲れ知らず

未踏の地にロマンを見るのは時代錯誤ですよね。何故山に登るのかと問われて、杓子定規に、そこに山があるからなんて答えているようじゃあ、むしろ恥ずかしいと思うのです。現在は未踏の山など見つけるのが難しく、ほとんどの場所は開発されているからです。

中には歩きながら周りをきょろきょろしているかと思ったら、やおら立ち止まってポケットをごそごそして、スマートフォンを取り出して風景を写真に収めているのにご執心の方々も多く見かけます。

海外からの観光客ならいざしらず、ベストショットはプロの手になる絵はがきなどを買えば済むこと。その方が山の保全に役立つというもの。むしろ風景を脳内に刻むように意識を用いたい。

低山ハイキングは、特に何の目的も持たず、普段感覚で登れれば獲得目標達成でしょう。ちょっと町をぶらぶらする代わりに、行き慣れた低山にハイキングとしゃれ込むほどの感覚で行けるようになれば、足腰が確実に若返っています。

そのためにもこれは、慣れた道、飽きてしまったという感覚に負けてはいけません。慣れてしまうというのは習慣化とは別の事態です。この場合はどこかに飽きてしまったという感覚を潜在させているので、事故の元になりかねません。

ですから定点観測をするつもりで同じ山で登山トレーニングするのがお薦めです。定点観測というのは、毎回の観測でまったく同じ結果になることを前提にしますので、違いが生じると大きな収穫になるのです。

このようにして違いを認識できるようになれば、新たな発見が楽しみになるはず。小さな違いから大きな違いまで、違いにはさまざまなものがありますが、小さな違いを見つけるとうれしいですし、大きな違いには驚かされます。

また前回よりも楽に登れたなどの感覚的な違いを大切にするのも大切です。望ましい変化を感覚できれば、日頃のやる気まで支えてくれるはずです。そのために私ならジャーナルを持ち歩き、気づいた時にそのときの経験を書き留めるようにしています。

希少性はわかりきっているから見つけられます。希少性が高いモノを集めた博物館がなんとなく、マンネリしているのは、この真理が裏返しになっているからです。つまり、希少性が高いモノを集めれば、希少性が感じられなくなってしまうということですね。

山々には季節毎に彩りが違う草花を楽しむ機会が満ちています。雨の中に咲くあじさいすら、待ち中とは色彩が微妙に異なっているのに気づく人は感覚がそれだけ鋭敏に養われているのではないでしょうか。

そのような小さな目的を加えるなりの工夫は、旅程になにか一つの未知の要素を付け加えても得られます。今回は違うルートを辿るなど、周辺に構える宿を取ってゆっくりと風呂に入るとか、少しずつ旅程を変化させるなら、毎回同じ山行きというのではなくなりますよね。

気持ちのリフレッシュで仕事に張りを回復するのが、隠された目標です。このように納得しておくと、たとえストレスが一杯になった山行きになったとしても、無事に帰宅できたという達成感があるはずです。

一人で山行きをするなら初心者というステータスを楽しむのが上策だと思います。すぐに上達した登山家であると思いたくなりますが、そのようなステータスは何の徳にもなりません。自己満足が大切です。初心者なら自己満足しても当然なのです。

たまには連れだって登るなら、リーダになることもあるでしょう。そんなときにも自分が未熟な初心者であると認識していれば、グループでの事故を未然に防ぐ効果があります。

私たちのハイキング登山の目標は、トレーニングによるアンチエイジングですから、それぞれに工夫して登山を楽しいものにしましょう。

天気は人智の及ぶところではないと知るべしと先輩たちに伝えられてきました。外国では重要なイベントで天気を人工的に操作するという話もあるようですが、現代でも完全にコントロールできないのが天候という相手です。山の中での悪天候は町中とは異なります。

だからこそ低山でも濡れると遭難のリスクがあることを年に何度かはニュースに取り上げられます。日常的によく知っている裏山で行方不明になったり、有名な観光地で遭難したり。自然は無警戒なときに容赦なく襲いかかってきます。

対策として原則になっているのは、天気が崩れる予報なら中止、途中なら引き返すという決意です。予定を変更したり、中止するという決意がもっとも勇気を必要です。しかも相手が何でもないことのように思えるときが難しいです。

そもそも山の天気は不安定です。天気予報では雨ではないのに、現地に着いたときには土砂降り、なんて経験が何度もありました。天気予報はある程度のひろがりをもった地域に対してされますが、意外と天気は局地的に異なっています。

特に山の天気は恐ろしいと経験者は解説します。少しの天気の変化で視界がなくなります。視界が少し悪いだけで、足下の凹凸が知覚できなくなります。陰が少し薄くなるだけで、浮き石なのかを判断つかなくなるのです。

目の前は雨で遠くが見通せず、足下はどこを踏めば良いのか分かりづらくなっては、歩く速度が遅くなり、経過時間から自分の位置を知ることができなくなります。だからといって、地図とコンパスも位置の特定に役立ちません。

たとえ衣服や履き物が防水だからといって安心できないのが山中の常識です。最近の山行用具は高性能を強調して開発されており、以前のものより遙かに優れた性能を持っていますが、それでも山中の危険をすべて解決したのではありません。

軽登山用の撥水加工は防水ではありません。表面に水をはじく薬剤を塗布しているだけなので、少しの摩擦を受けただけでも、撥水能を失います。そのため、実際に雨に当たるといろいろな箇所から水が染みこんできます。

高機能衣類の代表である速乾能にも雨の中での意味はありません。乾こうにも水分を蒸散させれるほど、外の湿度が低くありません。汗を蒸散させるはずの下着は、吸収した汗を全身に分散させて全身を冷やす機能を発揮することになります。

その上、何かの拍子に転倒すると全身が濡れるのは、もはや避けられないでしょう。そして濡れると体温を奪われて筋肉がつります。両足が同時に痙ってしまうと一歩も歩けなくなります。その場にしゃがみ込んでやり過ごせば良いのでしょうか?

痙攣していなくても足が濡れると疲労は半端なくなります。ぬかるみが恐ろしさは、そのような体調低下の状態を見逃さないところです。確実にあれこれと雑多な判断ミスを誘発するでしょう。それぞれはもちろん小さなミスに違いありませんが。

最終的に山中で足が動かなくなってしまう以前に、疲れてしまって正常な判断ができなくなります。これが本当に恐ろしい状態なのです。いつもなら延期する判断ができたとしても、認識能力が著しく損なわれていますから、沢を下ったり、稜線から外れたりなんて自殺行為をしかねません。

山中では雨から逃れる道はないと考えておきます。売店や雨を避けられる場所を期待していられません。観光地開発されていたとしてもです。必要のある場所に必要なものが揃っていると思っているなら楽天的なお人好しです。

それでも万が一、山の中で天候の急変に遭遇してしまったのなら、少しでも雨を避けれる場所に身を避けて、天候が回復するまで動かないようにして待機するものだと覚えておきましょう。

ハイキングを遠足気分で準備して、お弁当を用意してもらい、バッグに詰めて出かけました。早春の冷たい風を感じながら山の中に入り込んでいったのち、昼時を迎え弁当を開きます。空気は美味しいけど正直言って、冷たいお弁当を山の中で一人で食べても、美味しくない。

個人での山行きは学校の遠足や団体行動訓練じゃないから、冷たいお弁当は避けたいというお話です。権威者に指示されて食事まで規制され、みんなで歩調を合わせなければならない全体主義は大人にふさわしくないでしょう。

本当なのかウソなのか明確ではない話ですが、日本が戦争に負けたのは兵糧が美味しくなかったからだと力説していた人がいました。日本軍は戦地で飯ごうを頼りに炊飯しようとしたそうですが、とても激戦中にそんな余裕もなく、生米をかじるしかなかったそうです。

生米は食べるとお腹を下します。ベータ状態の炭水化物は草食動物ではない人間には消化できないものだそうです。そして加熱調理していたとしても、時間が経過するとベータ状態に戻ってしまいます。

対するアメリカ軍はレーションを工夫して温かいものを提供しています。現在はアメリカ軍が供給している食事を販売していますので、その内容を確認できて興味深いものを見つけるかもしれません。

中国の人は必ず熱いぐらいのご飯が必要だそうです。冷たいご飯は使用人とか犯罪者とかの社会的状況が好ましくない人が食べるものだと理解しているようで、向こうの新幹線で買った弁当は持てないほど熱くなっていたのも、この辺りに理由があるみたいです。

西洋の人は猫舌が多いので熱いものは苦手とも聞きますが、それでも温かい食事はごちそうだとされています。そこには単に文化的な理由だけではない、もっと生理的な理由がありそうなので、少し押さえておいた方が良さそうです。

消化吸収にも体力が必要です。飢餓状態になっている人たちに高栄養価のものを与えると消化できずに、かえって消耗してしまうそうです。そういえば、病人でも同じですよね。病院食ってだいたい、栄養価が低く抑えられているみたいです。

体力を消耗しているときに冷たい食事だと消化吸収に負担がかかってしまうという事実もあります。栄養価だけではなく、食事の温度も人間の食事の大きな要素だとわかります。

温かい食事が満足感の要因として大きい。同じ量、内容の食事でも温度が違うと満足度が大きく異なります。だったら喫茶店とか食堂で食事すればいいと思われますが、当てにしていた店舗が休業していたり、店じまいしていたりという場合もあり、当てにはできないのです。

小型のヒータと固形燃料なら携行するのも楽です。食事は自分で段取りするのが一番安心できます。ハイキングでも食事の重要性が高いのであれば、小型のヒータと固形燃料程度なら準備するべきでしょう。

シェラカップとガスバーナの組み合わせがお薦めです。後は工夫次第です。自宅での食事のように思うようにできない不自由さを味わいながら、手間を楽しむ気持ちが旅気分を引き立ててくれます。

ハイキングの時に暖かいコーヒをドリップした時、その様子を見ながら通り過ぎる人はみな、少しうらやましそうな顔をしていました。簡単な道具でドリップしたのですが、それでも大きな満足感がありました。

もちろん分相応という考え方がありますから、本格的なガソリンバーナは扱いに慣れていなければ危険ですね。大学の山岳部でもバーナで死傷事故を起こしたことがあるほどですから。

直接地面に焚き火をすると、その場所は長く汚染されてしまいます。地面に不必要な負担を掛けるべきではありません。焚き火用の器具を使うようにしましょう。

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